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漫画「角栄に花束を」あらすじ感想

2023年5月7日

田中角栄の生涯を描いた漫画「角栄に花束を」を紹介します。

角栄に花束を あらすじ

漫画「角栄に花束を」は、昭和の名宰相・田中角栄の生涯を描いた漫画で、2019年~ヤングチャンピオンにて連載を開始し、現在単行本が8巻まで刊行されています。

1,2巻 角栄10代半ば~20代前半

物語は1934年(昭和9年)、15歳の角栄が新潟から単身上京してきたところから始まります。

角栄は、実家が困窮していたため進学が叶わず小卒でしたが、上京してからは、働きながら夜間に工学校で設計・建築を学びます。

土木作業や配達員などさまざまな仕事を経験した角栄は、19才の時に建築事務所を興します。そして取引先開拓のため理研に入り込み所長の大河内氏と懇意になり、工事を受注して会社を発展させてゆきます。

1938年、戦争の波が押し寄せ、角栄も召集され満州に渡ります。資材管理などの能力を買われ後方支援として3年近く働いたのち、肺を患って帰国します。

死の淵をさまよった後、奇跡的に回復した角栄は再び仕事に復帰し、知人に紹介された土建屋の娘と結婚し、名跡を引き継ぎます。

3巻の内容 敗戦と政界進出

1944年、東京にも米軍の空襲が来るようになり、軍事に欠かせない理研のピストンリング工場を朝鮮に移管する話があがります。

指揮を任された角栄は、各地を奔走してわずか半年で朝鮮の大田に工場を完成させますが、直後に終戦を迎え、泣く泣く工場を残して日本に戻ります。

GHQの占領下、角栄は荒れ果てた日本の復興のためにがむしゃらに働きますが、ある時会社顧問の代議士に適性を見出され、政治家を志すようになります。

1946年の初出馬ではあえなく落選したものの、翌年の選挙で再び新潟にて出馬します。

角栄は前回の選挙戦に引き続き、演説のため山奥の集落まで足を運親身に人々の声を聞き、長岡に自社の支店を開設し雇用も増やして影響力を強めるなどして、とうとう初当選を果たします。

感想など

漫画を手に取ったきっかけは、ある時政治家の世襲について考えることがあり、世襲の対極の人として思い浮かんだのが田中角栄氏だったのですが、

よく考えると、角栄がどんな人で何を成し遂げたか具体的には知らないなと思い、漫画があることを知って手に取りました。

角栄が政治家として活躍していたのは1970年代までなので(総理大臣在任期間は1972-74年)、リアルタイムでの活躍は知らないのですが、ロッキード事件でニュースになっていたこと、娘の真紀子氏のこと、故郷の新潟では英雄であるとか、小卒で国のトップまでのし上がったことなどは耳にしていました。

また親世代の反応からすると、大変親しみを持たれていた政治家であることは感じていました。

 

漫画を読む前に私が抱いていた田中角栄のイメージは、成り上がり根性が凄くてお金が好きで、上にのし上がった人、という感じだったのですが、漫画を通して、それはどうやら違うようだことが分かりました。

成り上がりたかったというより、あまりにも指導者や政治家にピッタリの素質を持っていたため、自然と上に上がっていたという感じではないかと思います。

もちろん本人の意思や頑張りで上に登りつめたのですが、その動機が「上に立ちたい」とか支配欲のようなものではなく、周りの人を幸せにしたい、自分にはそれが出来る、という使命感だったのではと思いました。

(8巻時点ではまだ新人政治家で、これから話が続きます)

 

この漫画を通して、田中角栄の魅力的な人柄に引き込まれ、また日本が経てきた歴史分かりとても興味深く、漫画なので肩肘はらず読めて面白いです。

青年誌の連載漫画なので男性向けですが、性別問わず楽しめる内容になっています。

田中角栄について

田中角栄氏について辞書に載っていたので転載します

(生) 1918.5.4 新潟、刈羽
(没) 1993.12.16 東京

政治家。父親が家産を傾けたため幼時から貧苦の生活を送り、中学進学を断念して土木工事現場で働いた。15歳学校を卒業後、1938年田中土建工業を設立。47年以来16回衆議院議員に当選。同年、片山社会党首班内閣の炭鉱国管法案に反対し、進歩党を脱党、48年民主自民党に加わる。同年10月法務政務次官となるが炭鉱国管疑獄に連座して辞任。51年の東京高裁判決で無罪。57年第1次岸内閣郵政政相。第2次池田内閣蔵相を経て、佐藤内閣のもとでは蔵相、通産相、自由民主党幹事長などの要職を歴任。72年7月自由民主党総裁、首相。9月中国との国交回復を実現。内政面では「日本列島改造論」を掲げて、経済発展を目指した。74年12月同党総裁。首相を辞任。76年7月ロッキード事件で逮捕され、のち起訴。1審、2審ともに懲役4年の実刑判決を受けたが、最高裁上告中に死去した。なお、85年に脳梗塞で倒れ、89年には政界引退を表明していた。

(ブリタニカ国際大百科事典 電子辞書対応小項目版 より引用)

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