ドラマ「眠れる森」のあらすじや感想をまとめました。
「眠れる森」あらすじ
1-4話
蘭の植物園で働く大庭実那子は、年上の恋人・輝一郎との結婚を控え幸せな日々を過ごしていた。ある日実那子は、昔の荷物の中から子供の頃もらった差出人の書かれていないラブレターを見つけた。手紙には「15年目の今日、眠れる森で会おう」と記されていた。
実那子は12才のとき交通事故で両親と姉を失くし、伯父に引き取られ故郷の群馬を離れたが、実は家族はある事件で命を失っていて、実那子は昔の記憶を失っていたのでその事実を完全に忘れていた。
昔の自分を知る手紙の主に興味を持った実那子は、約束の日に故郷の森(群馬の中之森)を訪れた。森に現れた謎の青年・伊藤直季は、なぜか実那子がこれまでどう過ごしてきたかを知っていて、「これから残酷なことが待ち受けている」「実那子は俺の一部だ」と不気味に告げた。
それからというもの、直季が実那子の職場に現れたり、アパートのぼや騒ぎな周りで不審な出来事が相次ぎ、実那子を不安に陥れた。
実那子は抗議するために照明デザイナーの仕事をしている直季の職場を訪ねるが、そこで強い光を浴びて、事件の断片的な記憶がフラッシュバックした。12才の実那子の足元に、大量の血が流れて来る光景が蘇る。
恋人の濱崎輝一郎は、父親が有名な画家で本人も商社マンでいわゆるエリートだが、上司の娘を振って実那子を選んだことから、会社で厳しい立場に置かれていた。
直季は、実那子が一人先に引っ越した新居のマンションの向かいのアパートにも現れた。実那子は恐怖を感じつつも、少しずつ接するうち、共通点が多い直季に懐かしさのようなものを感じるようになっていた。
過去の謎が頭から離れない実那子は、戸籍や当時の新聞記事を調べ、本当の故郷が福島で、家族は1983年のクリスマスイブに起きた事件の犠牲者であることを知った。
過去と向き合うため、実那子はふたたび中之森へ向かった。
5-8話
実那子は、中之森で治療院を営む伊藤直巳という年配の男性に遭遇した。
直巳は、実那子が事件でショック状態だった時、トラウマの記憶を新しい記憶に置き換える「記憶の埋め込み」という治療を施した医者で、埋め込んだ記憶は彼の息子である直季のものだったということが分かった。
直巳は、埋め込んだ記憶は10年から15年くらいしか持たないという研究結果があること、犯人の国府吉春が仮出所して行方不明になっていることを話し、直季は、実那子の記憶が戻った時に何かの役に立ちたいと考えていたのだろうと語った。
30代半ばの不審な男が、しばしば実那子の職場の前に姿を現した。
直季は、幼馴染の敬太に事件を調べる手伝いをさせていたが、輝一郎も敬太に接触し、情報を流すよう依頼していた。
輝一郎は、20年以上前に失踪した母との関係に苦しみを抱えていて、母親の幻覚をたびたび見ていた。
そんななか実那子は、輝一郎が犯人の国府と同じ福島の大学出身だったことを知る。輝一郎は、国府とはかつて友人で当時の実那子とも面識があったことを告白した。実那子はショックを受けながらも、運命的なものを感じて安堵する。
雨の夜、実那子の職場に直季のガールフレンド・由理が訪ねて来た。直季への気持ちを確かめに来たのだったが、実那子は雷の光を浴びてフラッシュバックを起こし倒れてしまう。事件現場で鏡越しに見た、包丁を持った自分の姿に、実那子は混乱し苦しむ。
直季は実那子を救うため、実那子の過去に関することを調べ続け、実那子には実の父親が別にいて、それが自身の父・直巳であることに辿り着き、大きなショックを受ける。直季はこのことを実那子に言えず、「新しいことは分からなかった。もう忘れた方がいい」と告げた。
実那子も一人福島を訪れ、議員だった父親の秘書に会って話を聞き、母の不倫について知る。その後、思いを断ち切ろうとした直季は、実那子のもとから去って行った。
9-12話
直季は、国府に襲われ危ない目に遭ってもなお事件を調べ続け、実那子は直季のことが気にかかりながらも、式に向け準備を進めていた。
直季は事件の担当刑事から話を聞き、真犯人が父親・直巳だと疑った。しかし直巳を問い詰めたところ、その日直巳は虐待を受けていた実那子を引き取ることになっていて、家に着いた時は既に事件が起きた後だったことが分かった。
直季は国府の行方を追う最中、サンタ姿の暴漢に襲われ頭部を負傷し、さらに事件に絡んで由里と敬太を失ってしまう。
直季は、真犯人がいるという敬太の最後の言葉を受け、実那子に記憶を元に戻す治療を受けさせた。そして実那子は直季と血が繋がっていることを知り、事件のことは、刃物を持っていた犯人も、訪ねてきた第一発見者も国府という記憶になっていて混乱状態だった。
事件の真相が分からないままクリスマスイブの夜(=時効成立まで数時間)を迎え、実那子たちの船上結婚式がスタートした。
船に乗船していた直季は刑事から入った連絡で、敬太が最後に輝一郎の父親・正輝と連絡を取っていたこと、15年前の事件の真犯人が輝一郎であることに辿り着いた。しかし時効(12/25の0時)は間もなくで、逮捕はもう間に合わないのが確定状態だった。
みなの前で祝福を浴びながらカウントダウンが行われた。25日を迎えたその瞬間、実那子は沢山のカメラの光を浴びフラッシュバックが発生し、犯人の顔=輝一郎をはっきりと認識し、同時に、式場のスタッフとして紛れ込んでいた国府が現れ、輝一郎の腹を刺し、その場はパニック状態になった。
脱力した実那子は直季に抱えられ、ショックで眠りについた。
輝一郎の反抗動機は「実那子の姉・貴美子を自分の物にするため、すべてにおいて負けていた国府を犯人に仕立てる」という身勝手なもので、輝一郎は今後も国府に追われる恐怖で精神を病んでいった。
実那子は中之森の父親の休養し、直季の訪問を待った。
完
感想
1998年の放映当時リアルタイムで見ていましたが、中山美穂さんの訃報を受けて、久々に視聴しました。25年振り位に視聴し、大筋以外は忘れていたので、新鮮な気持ちで見れました。
以下に感想や考察を書きました。
映像が美しい
物語がとても良いのはさることながら、主演の二人を中心にみな美しい!
オープニングの映像が大好きですが、隠された意図もあるらしく、当時はそこまで見れていませんでした。(服装の色によるヒントや、登場人物の最後を示唆した動き)
登場人物も美しい!
中山美穂さんの美しさはもちろん、キムタクが美しい!当時26才位のようです。
特にファンではないですが、それでも美しい!!のです。オープニングは王子様風でかっこいいし、ドラマ内での実那子への切ない表情や寂しげな表情もいいです。
ネットの書き込みで、キムタクはイケイケキャラ的な役柄より陰のある役の方が合っていると思う、意見を見ましたが、確かにそうだなと思いました。
また、シナリオブックも読みましたが、裏方の方々の苦労も垣間見えて、スタッフの力の集大成でこのような素晴らしいドラマが出来たんだなと感じました。
脚本が秀逸
これを作った脚本家の野沢尚さんを、改めてすごいなと思いました。(なぜ世を去ってしまったのか‥)もっと野沢さんの作品を見てみたかったです。
シナリオブックには作成のおおまかな過程が記されていて興味深かったです。