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「大地の子」あらすじ・全11話

2021年7月4日

ドラマ「大地の子」あらすじネタバレで最終回までまとめました。

「大地の子」は、元満州開拓民の子・一心が、敗戦後に養父に拾われて育てられ、日本人ゆえの苦難(恋人の拒絶、文化大革命での弾圧など)に遭いながらも、日中共同製鉄所建設プロジェクトで活躍し生き別れた妹・実父と再会を果たすという話です。

※記事の最後に、原作小説と漫画(試し読みあり)を紹介しています。(下記目次をクリックすると読みたい箇所に飛べます)

ドラマ「大地の子」再放送の情報

1995年にNHKでドラマ化されています。ドラマも原作と同じあらすじです。

2022年2月末~NHKBS4Kでドラマの再放送が決定! 終了しました

毎週日曜 午後11:20~放映

2/27(日)1話「父二人」2話「流刑」
3/6(日)3話「再会」4話「黒災」5話「長城」
3/13(日)6話「日本」7話「兄妹」8話「密告」
3/20(日)9話「父と子」10話「冤罪」11話「長江」

名優が登場し、現地撮影の場面も多く見どころが沢山あります!

 主な日本人キャスト

陸一心(松本勝男):上川隆也、笠原秀幸(子役)
松本耕次(実父) :仲代達矢
 松本タキエ(実母):田中好子
 松本あつ子(妹) :永井真理子
松本耕平(祖父) :牟田悌三
山田団長  :寺田農
柿田  :宇津井健
斉木  :児玉清

 小説とドラマの違い

小説では、はじめ実父は生きているか不明ですが、ドラマでは初回から登場します。また一心が文革で受けた仕打ちはドラマでは一部省略されています。

大地の子 1巻 あらすじ(ドラマ1・2・3話)

1. 小日本鬼子(シャオリーベンクイツ)

1966年に起こった毛沢東主導の政治闘争・文化大革命により、中国では資本主義が批判され、指導者や知識人が糾弾されるようになった。

陸一心(ルー・イーシン・演:上川隆也)が技術士として働く北京鉄鋼公司でも、工場長などの上役が罪人として晒されごう問を受けた。

まもなくして一心も、日本人戦争孤児であることから無実のスパイ罪を着せられ、列車で労働改造所に送られた。

2. 陸一心の生い立ち

一心はもともと松本勝男(子役:笠原秀幸)という日本人で、開拓民の家族とともに満州のソ連国境の村に暮らしていた。(父親は1944年に出兵して不在になった)

1945年8月、参戦したロシア軍から逃れるため、7才の勝男は村人たちと共に避難したが、宝清(パオチン)の日本軍拠点は撤収していて、満鉄を目指して歩く道中で祖父(演:牟田悌三)と二番目の妹を、報復攻撃で母(演:田中好子)を失った。

命拾いした勝男と一番目の妹・あつ子は、別々の現地民に引き取られて離ればなれになり、勝男は丁という家で大福(ターフー)と呼ばれ、家畜の世話や重労働を行った。

(勝男は惨状を目にしたショックで自分の日本名や日本語を忘れた)

脱走を企て一度失敗してからは扱いが人間以下になった。翌年の9月、罰で小屋に閉じ込められた際に脱走し、七大河(チータイホ)の駅から貨車に乗った。

(直前に、妹を引き取った近所の村の男は長春(ツァンツン)に行ったと聞いていた)

3. 養父・陸徳志との出会い

貨車に長い間揺られ、一心は見知らぬ街(長春)に着いた。饅頭をくれた男に付いて行くと、値段を付けられ街頭で売られた。

そこを通りかかった30代半ばの教師・陸徳志(ルートウチ・演:朱旭)が、彼の新品の上着と引き換えに大福を解放してくれた。大福は行く当てがなく陸に付いて行った。

大福は翌日の夜高熱を出したが、陸夫妻の懸命の看病で回復し、子のない夫妻の養子となり一心と名付けられた。一心は春から徳志が勤める学校に入学した。徳志は人格者で周囲に尊敬される人だった。

4. 長春が内戦に遭い引っ越し

翌春、長春は内戦で食料不足に陥り、一家は父の故郷・范家屯(ファンチアトン)に帰郷することを決めた。

卡(チャツ)(関所)には人が殺到し、亡きがらが転がり匪賊もいる恐ろしい状況の中、命がけで関所を越え故郷に着いた。

故郷の徳志の母は、日本人を養子にしたことに大反対していて、一心はいとこ達(徳志の兄の子)にいじめられた。末従妹の秀蘭(シュフラン)だけが一心をかばってくれた。

1949年秋、内戦が終わり新中国が成立した。養父は村の小学校で再び教職に就き、一心も通学した。

学校には、逃避行中に知り合った袁力本(ユワンリーペン)が、奉公のため転校生として現れた。一心は袁の勉強を助け、体の大きい袁は一心をいじめからかばってくれた。

5. 進学・趙丹青との初恋

父は成績の良い一心のために、給料の半分近い学費と寮費を捻出し、一心を初級中学校に進学させた。一心は勉強に打ち込んだが、抗日運動の授業が始まるといじめを受けるようになった。

父は一心の成績が思わしくないことを心配し、勉強時間を取れるよう一家で学校のある町に引っ越すまでのことをした。(代わりに父が時間をかけて通勤した)

やがて一心は大連工業大学に進学し、機械工を専攻した。大学では、クラスで目立つ女子・趙丹青(ツァオタンチン・演:盖麗麗)に好意を寄せられ、卒業間近、二人は恋人になった。

しかし、一心が自分が日本人であることを告げると、丹青は一心を拒絶し去って行った。一心は絶望し涙を流した。

6. 囚われの日々

文化大革命の中、勤めていた会社で日本人のスパイという無実の罪で捕えられた一心は、寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区の黄河支流のダム建設現場で過酷な肉体労働を強いられた。

土砂で命を落としそうになったこともあり、濁流で命を失う囚人も出た。

1968年の秋、工事が突然中止になり、次は内モンゴルの労改所で羊飼いの作業を与えられた。

ある時、一心は羊の放牧中、聞き覚えのある曲の口笛を耳にした。口笛を吹いていた囚人の羊飼いの男は黄書海(ホワンシュウハイ・演:薄宏)という元華僑で、曲は「さくらさくら」という日本の曲だと言い、「君は日本人なのでは?」と聞いてきた。

7. 華僑の黄書海に日本語を教わる

黄に「母国語は忘れるべきではない」と言われ、一心は放牧中ひそかに黄から日本語を習うようになった。黄に「いつか中国と日本も国交回復する時がくるかも知れない」と言われたが、夢物語のように感じた。

しばらくして、一心は羊のとさつで破傷風に罹患してしまった。罪人なので血清を断られそうになったが、以前、脱輪した医療隊の車を助けたことが評価され、治療を受けられることになった。一心は江月梅(チァンユエメイ・演:蒋文麗)という若い看護婦の献身的な看護で死の淵から回復し、この時、月梅に身の上を話した。

秋、一心は囚人仲間の脱走ほう助疑いと、政治学習の本の表紙の内側に50音のひらがなを書いていたことで、暗号でスパイを企てたことを疑われ、独房に入れられた。

一心は、黄が一心を非難する告発に潜ませたヒントに気づき、「崩し字の書家・張旭の字を真似た」と嘘の自白をして極刑を回避した。

8. 養父の直訴

一心の養父母は、一心の消息が掴めないまま4年の月日を過ごしていた。徳志自身も、日本人を養子にしたという理由で、三角帽を被され歩かされる辱めを受けていたが、なお一心の身を案じていた。

そんな中、徳志宛てに「陸一心がモンゴルの労改所にいる」という匿名の手紙が届いた。

徳志は冤罪を晴らすため、北京の人民来信来訪室の列に寒い中並び続けた。一方、一心を好きな徳志の姪・秀蘭(演:高常林)は、解放軍の中隊長となった袁力本(演:馮国強)に手紙で窮状を訴えた。

一心の親友であり秀蘭に心を寄せる袁は、権力に近い知人に働きかけ、その結果徳志の直訴が政府に伝わった。

一心の所に父からの手紙が届き、絶望の淵にいた一心は希望を見出した。

★用語説明

文化大革命(デジタル大辞泉より)

1966~69年に中華人民共和国で、大衆を動員して行われた政治闘争。毛沢東自身が主導し、直接紅衛兵を動員して、既成の一切の価値を変革すると唱したが、劉少奇を代表とする党・政治機関および学界の実権派からの奪権闘争でもあった。多くの知識人が投獄・殺害され、文闘は武闘に発展、一般にも多くの死者を出してその後の中国社会に深刻な傷を残した。80年代以降「重大な歴史的誤り」として全面否定。

大地の子 2巻 あらすじ(ドラマ4-5話)

1. 江月梅との再会

一心を病の淵から救った看護婦・江月梅は、翌年も巡回医療でモンゴルに現れた。

一心は巡回帰りに砂嵐に遭った彼女を助けた。月梅は、文化大革命で父親を失くしたことや、一心の無実を信じ想ってくれているということを話した。しかし一心は立場上愛を受け取れず、その場を離れた。

冤罪を直訴してから半年、父・徳志は教職を免職されてまで再び冤罪を訴えに行き、ある日一心は解放された。

二人は北京駅で再会し、涙を流し抱き合った。

2. 職場へ復帰

職場に戻った一心は、与えられた図書係の仕事の合間に文献で日本語を学んだ。また、解放され戻って来た上司や同僚とも再会を果たした。

1972年、日中国交正常化が締結され、複雑な気持になった一心は、心の内を話したくなり、以前教えられていた江月梅の勤務先の病院に連絡を取り月梅と再会した。

製鉄所の操業が本格化しない状態が続く中、一心は人事から「今後、日中の技術交流が増えるので日本語の翻訳者が必要だ」と告げられ、重工業部(国家機関)への転属を命じられた。

3. 日中製鉄所建設プロジェクト

時は過ぎ1977年、政府要人・鄧平化の意向で中国の金属学会の視察団が日本を訪れた。一行は東洋製鉄の木更津工場などを見学し、最先端の技術に見入った。

38才になった一心は、重工業部の外事司の計画司(企画部のこと)で精力的に働き、私生活では月梅と結婚し3才の娘・燕々(イェンイェン)の父となっていた。

その頃、中国は鉄鋼増産の国策を背景に、夏総理の肝入りで製鉄所建設の大型プロジェクトが発足した。建設に協力する日本の製鉄会社・東洋製鉄には2年という短期間での建設が伝えられ、また一心もプロジェクトに関わることになった。

4. 残留孤児調査

一心の養父・陸徳志は、日本の肉親が戦争孤児を探す調査のことを一心に告げようとしたが、観光で訪れた万里の長城で、一心が会社の客と遭遇し日本語を流暢に話す姿にショックを受け、言えなくなっていた。

5. 東洋製鉄の松本が上海に赴任

東洋製鉄の木更津工場設備長・松本耕次(演:仲代達矢)は長野出身の元満州開拓民で、出兵後、満州に残した家族(祖父と妻、子の勝男、あつ子、みつ子)や仲間を失ったことに自責の念を抱き続けていた。

業務経験が豊富で中国語が話せる松本は、中国の製鉄所建設プロジェクトに上海事務所長として赴任した。短納期のため、現場では技術交渉に先行し地盤の杭打ちが始まっていた。

6. 宝華製鉄建設スタート

製鉄所建設には、一心の元恋人・趙丹青も夫婦で参画している上、丹青の父・趙大烈がプロジェクトの総指揮をとっていた。思いがけず再会した丹青は一心に親しげに振る舞ったが、一心は冷たくあしらった。

建設地の上海で初めての日中の設備検討の会議が行われたが、中国側の要求値が高く激しい応酬がなされ厳しい雰囲気だった。

松本は東京に戻った折、一時帰国した残留孤児の会見の場に行き、かつての隣家の娘・大沢咲子(演:十勝花子)に再会し、自分の息子と娘が当時生存していたことを知らされた。

製鉄所プロジェクトでは、総額費用について上層部で交渉が行われ(日本がかなり譲歩)、日本の財界人や関係者が参列し宝華(パオホワ)製鉄の起工式の式典が行われた。

設備検討の会議以来、一心と松本はプロジェクトの現場で会話を交わすことがあったが、自分たちの関係に全く気付いていなかった。

大地の子 3巻 あらすじ(ドラマ6-7話)

1. 日本訪問

一心ら中国側の一団は、延期した工期の建設日程を詰める目的で日本を訪れた。10日超の日程で一心は日本に良い印象を抱き、旅館で耳にした民謡や富士山を拝む観光客を見て突然浮かんだ「しなのふじ」という言葉が心に残り、自分が誰なのかを知りたいと感じた。

その頃中国では、国の財政難で東洋製鉄への費用一括払いが難しくなり、プロジェクトの雲行きが怪しくなっていた。製鉄所の建設は政権争いの道具になっていた。

2. 残留孤児調査団が中国を訪れる

東洋製鉄の松本は、仕事の休みを利用し、訪中した孤児探しの調査団に加わり、長春や哈爾浜を訪ねた。松本は孤児との面接で、孤児の置かれた状況の過酷さを目にし、佐賀開拓団跡では家族と団員を偲びむせび泣いた。

そして勃利(ボーリ)で開拓団の生き残りの男児の情報を得て丁の家を訪ね、息子の勝男が一時期そこで暮らしていたことを知った。

3. 宝華製鉄所の建設が進む

製鉄所建設が進む中、中国側が部品の精度に完璧を求め、隙あらば上乗せの加工賃を要求し、日本の技術員を日々苦労させた。

趙丹青は、父のコネで着任したとは言え熱心に設計業務に打ち込んでいた。一方丹青の夫・馮長幸(フォンツァンシン・演:廖京生)は、一心が妻の元恋人だと知り一心を敵視していた。

一心は国への入党申請が認められ晴れて党員となり、妻や故郷の養父母らも入党を祝った。

そんな中、一心の所属する重工業部計画司に、一心が機密を漏らしたと告発する文書が届いた。内容に無理があり嘘の告発とされたが、実は丹青の夫・馮の仕業だった。

4. 建設の凍結

国の財政悪化で、夏首席の経済政策と製鉄所建設への批判が高まり、建設が凍結されることになった。指揮の趙大烈は責任を取らされ僻地へ飛ばされた。

5. 妹・あつ子との再会

一心は、妻が巡回医療で見つけ出した河北省の元日本人女性(演:永井真理子)の家を訪ね、女性が"(犬の)シロ"、"カッチャン"などの言葉や、一心が拾ったあつ子のお守りを覚えていたことから、妹・あつ子であることが判明した。

あつ子は童養媳(トンヤンシ)として買われ、重労働をさせられ子を次々と生まされ、結核に冒されボロボロの状態だった。一心はな再会の遅さを悔やんで涙し、あつ子を病院に入院させた。

6. プロジェクト再始動

夏首席が失脚し、政権に帰り咲いた鄧平化に日本側が対中借款を用意し、製鉄所建設が再開した。

現場では建設再開してすぐ、中国側の荷揚げの不手際で、1台1億円の精密機器・ガス絶縁開閉装置(GIS)の梱包に穴が開く事故が起きていた。しかしこのことは隠され、日本側に報告されたのは1か月後だった。

これが問題視され、機器の解体点検が行われることになった。

大地の子 4巻 あらすじ(ドラマ8-11話)

1. 実父が判明

春節の休暇中、一心は容態が悪化した妹・あつ子のもとに駆け付け、あつ子は翌日息を引き取った。同じ日、外事科の男が東洋製鉄の松本を連れて張玉花(あつ子の中国名)を訪ねて来た。この時一心と松本が実の親子であることが判明し、二人はしばし呆然とした。

松本はあつ子の死に号泣し、棺を見送るまでの間、これまでのことを一心と話した。

休み明け一心は、実父が東洋製鋼の松本であることが判明したと党に報告した。党は日本側との交渉に一心を利用するため、松本との関係は内密にして一心をプロジェクトに参画させ続けることにした。

2. GIS装置の開梱点検

日中の技術員立ち合いの元、荷揚げで事故のあったガス絶縁開閉装置(GIS装置)の開梱点検が行われた。

電圧変成器のコイルずれが発見され、中国側が不利な雰囲気になった時、一心は「出荷時に既に破損があったとも考えられる」と平然と言ってのけた。松本は息子を遠く感じた。

松本は北京への出張の際に、一心の養父・陸徳志の家を訪ね、これまでの話を聞き、養父と息子の絆の強さに淋しさを感じていた。

先日に続きGIS装置の開梱点検が行われたが、3・4台目の中から事故と無関係の異物が発見され、中国側が強い不信感を持った。一心は上司の指示(暗に「息子の立場を利用して交渉せよと」いう指示)に従い、権限を越えて松本に談判し、GIS40台を取り外しての無償点検という過剰な要求をした。

3. 2度目の訪日・父の家を訪ねる

その後話し合いが何度も持たれた結果、中国メンバーが日本の工場で機器の立ち合い点検を行うことになった。

一心も含めた一団は訪日し、GIS装置を製造する関東電気の千葉工場で厳しい点検立ち合いを行った。

日本滞在が3か月近く経った頃、一心は一時帰国していた松本に「家が近くだから家族の位牌に手を合わせに来て欲しい」と声をかけられた。

一心は、取引先と花見が行われた際に抜け出し、父の社宅を訪ねた。一心は皆の位牌に手を合わせ、ありし日の母の写真を見て号泣した。

一心は、油断していて松本の家を出た時間が遅くなった上、電車の遅延で門限に遅れてしまった。更に、一心の荷物から機密資料の裏工程表が紛失していて、団長から、松本に機密情報を漏洩した疑いをかけられてしまった。

4. 理不尽な異動

帰国後、一心はプロジェクトを外され内モンゴルの鋼鉄会社への異動を命じられた。(工程表は日本滞在中ホテルで同室だった馮が盗み隠していた)

養父・徳志は「中国にいる限り疑いの目をかけられるのであれば、いっそ日本で暮らした方が良いのでは」と一心に言った。

5. 宝華製鉄所の火入れ

一心が内モンゴルに赴任し2年近く経ち、宝華製鉄所の完成が間近となった時、一心の罪が晴れた。元恋人の趙丹青が、夫が隠し持っていた裏工程表を見つけ党に報告したのだった。

出張にかこつけ一心の前に現れた丹青は、これまでのことを許してほしいと詫び、二人は抱擁し合った。

一心は辞令を受けるとすぐに宝華製鉄所の現場へ復帰し、製鉄所の稼働開始の火入れに立ち会うことが叶った。

製鉄所は無事稼働開始し、日本側も中国側も共に喜びを分かち合い、一心も松本所長と抱き合った。

6. 父子での長江船の旅【結末】

プロジェクトが終わり松本が帰国する前、一心と松本は二人で長江クルーズの旅に出た。

旅の道中、松本は「日本に来ないか」と一心に言った。一心は葛藤したが、中国の大地に育った自分と父との間に埋められない隔たりを感じ、涙を流し「私は、この大地の子です」と、中国を選ぶ答えを出した。

ドラマでは、この後一心自ら志願して、内モンゴルの鉄鋼会社に戻って懐かしい仲間と再会する、という結末が加えられています。

 

■大地の子 感想

感想

・とても読み応えのある小説で夜なべして読みました。多大な時間と労力をかけての取材と、戦争経験世代ならではの入れ込みがあって出来た傑作なのだと思いました。

初めの方は一心が捕らえられ辛い描写が多いですが、名作・力作で素晴らしい作品なので、多くの人に読んで欲しい・見て欲しいと思いました。

(ちなみに佐藤健さん主演で日曜劇場でリメイクされる話は白紙になったっぽいですね、残念‥。でも上川隆也さん版の完成度が高すぎて、それを越える新たな作品を作るのは大変そうだなとも思います)

・満州開拓民の棄民のことは詳しくは知らなかったので、とても驚き、何でそんなことになってしまったのかと思います。

また、感動の再会で終わるのではない物語のラストは腑に落ちて、再会出来ても過ぎた時は戻せない、戦争の代償はあまりにも大きい、という感じがしました。

(それでも実父の松本があまりにも気の毒で、時々でも日本に来訪して交流する未来なのだろうなと脳内で勝手に思ってますが‥)ドラマ版の方は中国での未来や希望を描いたイメージでラストを迎えてましたが。

ちなみに、厚生労働省が作った帰国者のインタビューyoutubeがありますので、当事者の話をを詳しく知りたい方は視聴をお勧めします。

・ドラマ版では、小説であった過酷なシーンが省かれていたので、特に製鉄所プロジェクト内での父子の葛藤や一心の立場の苦しさがいま一つ分かりにくかった?などとは思いましたが、

それを省いても、映像になると、中国の情景や製鉄所の様子が目の前に現れて感動も増しました。役者さんもそれぞれはまり役でよかったです。特に一心を取り巻く女性3人(丹青・月梅・秀蘭)はイメージにかなりピッタリでした。

・一心に日本語を教えてくれた黄書海のその後ですが、結局最後まで再登場はありませんでした‥。どこかで元気だといいのですが‥

・最近、テレビで中国の一般の人がインタビューに答えているのを見て思ったのですが、少し前は中国人の表情って険しい印象がしていたのですが、今はそうでなくなったなと思いました。約20年前に北京旅行に行った時そう思ったので

「大地の子」で文化大革命の事を知ると、常に言動に気を付け神経を使う状態では、そりゃ険しい顔になるよなーと納得しました。20年位前だと経済も上向きになる前でもあり、まだ言論統制の名残があったのだと思います。(言論統制は今もある?)

 

・話が少し違うのですが、"あしたのジョー"の漫画家・ちばてつやさんも、満州(瀋陽)育ちで、満州引き揚げのことが「ひねもすのたり日記」というエッセイ漫画に綴られています。

とても面白く、こちらもおすすめです。大変な経験ですが子供の視点で書いてあり楽しく読め、家族愛や暖かみが伝わってきます。

陸一心と同じような年代の子でも、日本に戻れた人もいればそうでない人もいるのだな、としみじみと思いました。↓下記に概要をまとめてあります。

「ひねもすのたり日記」|ちばてつやさんの半生記マンガ

続きを見る

 

■「大地の子」動画

ドラマ「大地の子」はNHKオンデマンドで現在配信中です。

NHKオンデマンドをお得に利用する方法を下記記事で紹介しています。(内容は「おしん」の視聴方法ですが、大地の子も同様です)

ドラマ「おしん」を全話見れる動画配信サイト

続きを見る

 

「大地の子」原作

大地の子は実話?

「大地の子」は、著者の山崎豊子さんが中国で3年に及ぶ現地取材を行い、そこで得た実話を参考に作られた物語です。

書籍

大地の子の小説は文庫本全4巻が刊行されています。

 講演内容

山崎豊子さんが「大地の子」について話した講演会の内容を、アマゾンオーディブルで聴くことができます。

アマゾンAudible(オーディブル)は、ナレーターによる本の朗読を聴けるサービスで、12万作以上の作品を聞き放題で楽しめます。月会費は1500円ですが30日の無料お試し期間があります。

大地の子が描かれるまでのことを著者の肉声で聴けてとても興味深いです。

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漫画(試し読みあり)

「大地の子」は漫画版も刊行されています。小説は読むのが大変のなので、漫画だと読みやすくて良いと思います。

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みずのと

●不朽の名作~最新ものまで色々なドラマや読書を日々楽しんでします ●普段の仕事は会社員で文章を分かりやすくまとめる仕事をしていたことがあります ●東京在住

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