おしん

おしんの作者 橋田寿賀子さん 生い立ちや代表作、エピソード

おしんや渡鬼をはじめ、数多くのドラマ脚本を手掛けた橋田寿賀子さんの生い立ちや代表作、経歴、エピソードをまとめました。

近年は安楽死宣言や、渡鬼シリーズ最新作の放映などでも話題になりました。

(文章を簡潔にするため敬語表現を省略しています。情報は記事投稿時点で把握した内容です。情報を得る元にした本は最後に紹介しています)

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<2021年4月追記>

4月4日、橋田先生が逝去されました。ご冥福をお祈りします。第一報は、外出先で偶然夕方のTVニュースを見て知りましたが、おしんファンで橋田先生の書籍も読んで励まされていた私は、悲しいニュースに思わず少し涙ぐんでしまいました。沢山の人を楽しませてくれる感動の物語を届けて下さり感謝の気持ちばかりです。

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1. 基本情報

1925年生まれ。夫は元TBSプロデューサーの岩崎嘉一氏(故人)

代表作は「渡る世間は鬼ばかり」「おしん」「愛と死をみつめて」「春日局」など。世に送り出したドラマは200作を超え、褒賞も複数受賞

 

2. 生い立ち

幼少期

四国出身の両親の元に生まれた一人娘。父親は朝鮮の物産を扱う土産物店を営んでいたため、小学校3年までをソウルに暮らした。

日本に帰国後~女学校(現在の高校)までは大阪府堺市で暮らす。父親が仕事人間だったため母親の注意が娘に一心に注がれ、過保護に育てられた。友達と遊ぶより一人で家で本を読んでいることが多かったそうです。

学生時代

母親の大反対を押し切って東京の日本女子大学に入学、文学部国文学科に所属。当時は言語学の道を志望していた。戦争で大学が一時中断した後、大学を卒業。

終戦の混乱が落ち着き、もう一度学生生活をきちんと送りたい、と早稲田大学国文学部に入学し、のちに芸術学部に転科。早稲田では友人に誘われ登山を楽しむ一方、演劇部に所属し脚本塾に通った。

 

3. キャリア

松竹で映画の脚本家

1949年 早稲田大学を中退し、1000人の応募の中から養成期間を経て選ばれた6人のうちの1人として、松竹の脚本部に初の女性社員として入社し映画製作に携わる。1952年公開の「長崎の鐘」で脚本家の手伝いなどを行った。

しかし当時は男社会が当然の時代で、先生の元に弟子達が集まって作業する際も橋田さんだけお茶出しや雑用を言いつけられ、やりたくないというのが態度に出ていたため生意気と思われ、仕事を干された。

あまり仕事を回してもらえないまま会社に10年在籍した後、秘書部へ異動を言い渡され、実質人員整理だったので35才で退社した。(在籍の間、仕事はなくても基本給は出ていたので空いた時間は旅に出ていた)

フリーのライター

松竹を退社してからテレビドラマの脚本の仕事を得られるようになるまでは、フリーのライターとして少女小説を書くなどして、安いアパートに住み生計を立てた。収入もまだ多くなく生活不安があった。

テレビドラマの脚本家

映画業界を去った後はテレビドラマの脚本家を目指し、はじめは一話完結の脚本を持ち込んでいたが、テレビ業界の脚本家も希望者が多く、なかなか採用にはつながらなかった。

(この時期はあせっていた時期だった、と著書で振り返っています。この間実力をつけるため本を沢山読み、書きたいものを沢山書いたことで、それが後々役に立った)

その後、1961年放映の「夫婦百景」でテレビドラマデビューし、1964年の東芝日曜劇場「愛と死をみつめて」で脚本家としての評価が高まる。

テレビの脚本は、映画とは勝手が違って苦労したそうです。(映画のセリフはキザな言い回しが多く、それが身についていたため)

しかし、映画の脚本ではセリフを次々と変えられ悔しい思いをしてきた一方、テレビドラマの脚本では自分が書いたものがそのまま使われることに感動し、テレビが大好きになったそうです。

 

4. 家族

ご両親を30才までに亡くし、その後TBSの局員である旦那様と41歳で結婚。子供はおらず旦那様が60才で病気で亡くなるまでは夫婦二人暮らしで、現在はペットと暮らしているそうです。

夫との馴れ初め

橋田さんの世代は、戦争で男性が沢山亡くなり相手もおらず、恋愛とも無縁で結婚は諦めていたが、40歳の時仕事で知り合った旦那さを橋田さんが好きになったそうです。

恋患いでとうとう原稿の締め切りを破ってしまい、石井ふく子さんに相談したところ、石井さんが代わりに旦那さんに思いを伝えたことで、約二か月後に結婚、ということになったそうです。

"当時の40歳は、今の若々しい40歳よりずっと老けている印象だった。いつ良い相手が見つかるかもしれないので(結婚について)年齢を問わず焦らなくて良い"と本の中でおっしゃっています。

(ちなみにTBSのドラマ"金八先生"の名づけ親はこの旦那さんだそうです。金曜八時枠放映だったので)

結婚による仕事の転機

独身時代は、プロデューサーに注文を付けられても(立て付いて仕事がなくなると困るので)納得が行かなくても言われた通りにし、結果中途半端な内容になることもあったが、結婚後は生活の不安がなくなりケンカ覚悟で意見を言えるようになり、結果良い脚本が書けるようになったそうです。

また、結婚したら子供が欲しかったので仕事はセーブし、"夫の前では仕事はしない"という約束だったので、原稿書きは旦那さんが不在の日中を中心に行っていたそうです。

嫁姑問題

旦那さんは母親好きで、頻繁に姑と顔を合わせる機会があり嫁姑問題で苦労が多かったが、その苦労は全て脚本や講演のネタにしたので、今となってはとても感謝しているそうです。

 

5. 趣味

若い頃から旅行が趣味で、旅の経験が脚本にも生かされているそうです。旅をご褒美と思い脚本を書くのを頑張っていた。

20・30代は節約旅行でユースホステルに泊まり日本全国を旅行。30代後半位になるとユースホステル仲間は20代で会う人は若い世代が多くなり、シナリオライターという職業が知れて人生相談を受けることが多かったそうです。

40代以降は結婚して気軽に旅行に出れなくなったが、知人と海外旅行を楽しみ70代を過ぎてからは船旅中心になった。

 

6. 作品の特徴

多くの作品を送り出しているにも関わらず、著書の中で"自分は二流作家だ"と記しています。視聴率の高低はあまり気にならず、自分が書きたいことが書けて誰かに伝えることができれば満足だそうです。

ご自身もおっしゃっていて世間でも認識されている作風は下記の通りです。

ホームドラマ

作品の多くがホームドラマです。批評家に"飯を食っているシーンばかりだ"と酷評されることもあったそうです。(そういわれると "おしん"も、各時代必ず食事シーンがありますね。全然自然で意識していませんでしたが。)

旦那様からは「殺人と不倫は書くな」とアドバイスを受けていて、それは守ってきたそうです。

長ゼリフ

ドラマのセリフが長いのは、主婦が家事の片手間テレビから目を離してもストーリーが分かるように、という考えがあるそうです。

これまで一番の長セリフは台本15ページに渡るものだったそうで、後から演じる人の大変さに思い至り "偉くなった気がしている自分のことが疎ましくなった"とエッセイにありました。

また、学生時代日本語学を研究していたことから、セリフの言い回しや日本語の使い方には厳しい視点を持っているようです。

戦争と平和

20歳で終戦を経験しているため「戦争と平和」がテーマの作品も多い。(渡鬼は違うので、それ以前の作品と思いますが)

戦時下、橋田さんも工場に動員されたり、終戦直前の時期では軍の経理部で事務員として働いた経験があり、「おしん」で、主人公が戦争で夫と息子を失う設定には、「戦争は国民一人ひとりにも責任がある」ということを伝えたかったという意図があるそうです。

代表作

■渡る世間は鬼ばかり 岡倉家の5人姉妹を主軸に人間模様を描いたTBSのファミリードラマ。

■春日局 1989年放映のNHKの大河ドラマ。大原麗子主演。(春日局は徳川3代将軍家光の乳母)

■おしん 1983年放映のNHKの連続テレビ小説

■春よ来い 1994年~95年放映のNHKの連続テレビ小説で、橋田先生の自伝的ドラマ。主演は安田成美・中田喜子。ユーミンの主題歌が印象的です。

 

7. その他

弟子は居たのか

著書の中で「弟子は取っていなかったが、応援したくて仕事を回したり面倒を見ていた人はいた」とありました。その方は今では橋田さんより人気の脚本家になっているそうです。

推測ですが、おそらく内館牧子さんかな?と思います。(産経新聞の内館牧子さんの記事で「かつて橋田さんのお手伝いを少ししていた」とあり、年齢的にも20歳位違いなので)

最近の活動

■ 2019年9月 「渡る世間は鬼ばかり」最新作が放映

橋田賞 橋田文化財団(放送文化の発展に貢献した人の表彰や、人材の育成を目的に設立)により創設された賞。

インタビューなど
・日経新聞 「私の履歴書」(2019年5月)
・フジテレビ  直撃!シンソウ坂上 独占インタビュー(2018年12月)

この記事は著書(恨みっこなしの老後旅といっしょに生きてきた――人生を楽しむヒントおしんの遺言)や公的なメディア記事を参照しています。

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みずのと

●不朽の名作~最新ものまで色々なドラマや読書を日々楽しんでします ●普段の仕事は会社員で文章を分かりやすくまとめる仕事をしていたことがあります ●東京在住

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