「窓ぎわのトットちゃん」あらすじと感想|

2020年9月27日

窓ぎわのトットちゃん」は、トットちゃんこと黒柳徹子さんが過ごした小学校・トモエ学園での日々を書いた自伝的物語です。1981年に発売され国内で800万部超という戦後最大のベストセラーで、世界の多くの国でも翻訳されています。(中国では窓辺的小豆豆として1千万部超)

難しい漢字にはふり仮名が振ってあり文章も分かりやすいので、子どもも楽しめます。また教育者に教育書として読まれたり、小学校の教科書や入試など教材にも多数採用されています。

以下におおまかな内容や感想、他のおすすめ本2冊についてまとめました。

スポンサーリンク

1. 窓際のトットちゃん 概要

タイトルの 「窓ぎわ」「トットちゃん」の意味は

「窓ぎわ」は、転校前の小学校で、徹子さんが授業中に歩いて窓際でチンドン屋さんを待っていたことや、当時の流行語 “窓際族” 、学校で何となく感じていた疎外感に由来し、

「トットちゃん」は、黒柳さんが小さい頃、自分のことを「テツコ」と言ってるのが舌足らずで「トット」と言ってたことに由来しています。

もくじ一覧

■はじめての駅 ■窓ぎわのトットちゃん ■新しい学校 ■気に入ったわ ■校長先生 ■お弁当 ■今日から学校に行く ■電車の教室 ■授業 ■海のものと山のもの

■よく噛めよ ■散歩 ■校歌 ■もどしとけよ ■名前のこと ■落語 ■電車が来る ■プール ■通信簿 ■夏休みが始まった

■大冒険 ■肝試し ■練習所 ■温泉旅行 ■リトミック ■一生のお願い! ■一番わるい洋服 ■高橋君 ■とびこんじゃダメ! ■「それからさあー」

■ふざけただけなんだ ■運動会 ■小林一茶 ■とっても不思議! ■手でお話 ■泉岳寺 ■マサオちゃーん ■おさげ ■サンキュー ■図書室

■しっぽ ■二度目の春 ■白鳥の湖 ■畠の先生 ■はんごうすいさん ■「本当は、いい子なんだよ」 ■お嫁さん ■ボロ学校 ■リボン ■お見舞い

■元気の皮 ■英語の子 ■学芸会 ■はくぼく ■泰明ちゃんが死んだ ■スパイ ■ヴァイオリン ■約束 ■ロッキーが、いなくなった ■茶話会 ■さよなら、さよなら

2. 窓ぎわのトットちゃん あらすじ

徹子さんがトモエ学園に入学してから、疎開で東京を離れるまでの数年間の学校生活の様子が書かれています。(学園の跡地は現在大丸ピーコックになっています)表紙や挿絵はいわさきちひろさんの絵で、内容にマッチしていて素敵です。

トモエ学園に入学

バイオリニストの父親を持つトットちゃん(徹子さん)は、公立小学校に入学するも、授業中に窓の方に行きの外の通行人に話しかけたり、机のふたを気が済むまで開け閉めするなど落ち着いて授業を受けられないことから、1年生の途中で学校を退学させられてしまいます

転校した自由が丘のトモエ学園は、リトミック教育を行う全校生徒50人くらいの私立学校で(リトミック:19世紀末~スイスの音楽教育家が開発した音楽教育の手法)、敷地内に置いた電車の車両が教室という個性的な雰囲気の小学校です。

小林宗作先生との出会い

校長先生の小林先生はトットちゃんと初めて会った日、トットちゃんの話したいことがなくなるまで四時間近く話を聞いてくれた。そんな大人ははじめてだったので、トットちゃんは嬉しくて、安心感と暖かさを感じた。

トットちゃんの学年の児童は全員で10人、授業は時間割がなく、それぞれ自分が好きな科目から開始しするやり方で(自習ベースで分からなくなったら先生に聞く)、その日やる教科が早く終われば、午後は好きなことができます。(近所の寺や川沿いを散歩に行ったりする。自然に触れることで、結果それが理科や歴史の勉強になった)

小林先生は、いつも徹子さんに「君は、本当は、いい子なんだよ」という言葉をかけてくれていました。(あとがきでは、その言葉がどんなに自分のこれまでを支えてくれていたか、先生に出会わなかったら、悪い子のレッテルを貼られコンプレックスにとらわれたまま大人になっていたのでは、という事が書かれています)

生き生きとした学園生活

学園には体に障害がある子も含め、皆分け隔てなく自然に生き生きと過ごせる環境で、

敷地内に子供たち一人ひとりの専用の登る木があって、その木に小児まひのある友達を招待して登った思い出や(この友達から初めて”テレビジョン”というものがある、と聞いた)、独自ルールの運動会や、多様性を大切にする小林先生の児童や先生への接し方、

他にも、おてんばな徹子さんがトイレの汲み取り口にはまった話、学校主催で講堂にテントを張って泊まった話、など生き生きと過ごした日々、

また、トットちゃんを見守る暖かい家庭と飼い犬のロッキーのこと、子供ながらに感じ取っていた戦争に関連するエピソードなど幅広く書かれていて、どれも心を動かされる話ばかりです。

3. 窓ぎわのトットちゃん 感想

この本はだいぶ昔(確か高校生の時)に一度読んだことがあったのですが、コロナで平日昼間家に居て「徹子の部屋」を見て、お年を召されてなお頭の回転が速く好奇心旺盛な黒柳徹子さんを、改めて凄いなと思って再び本を手に取りました。

日本では周りの空気を読んで枠にはまろうとすることが多い中、「人間ってもっと自由でいいんだな」と思わされる本です。子供ごとの個性を尊重し、子供を信じて自主性をはぐくむ教育法が素晴らしく、小林先生のような愛の溢れる先生に出会ったら、子供も生き生きと過ごせて、学校へ行くのが楽しみになるだろうなと思いました。

また、黒柳徹子さんらしい、ぶっ飛んだ子供時代のエピソードに笑いました。(徹子さんの子供時代の様子って「赤毛のアン」に似てるなと思いました)

「スパイになろうと思ってる」と、頭の良い男の子に話したら「女のスパイは顔がきれいじゃなくちゃなれない」「おしゃべりの子はスパイになれないのでは」と言われて、すべてが正しいことに閉口した、というくだりも面白かったです。(あの徹子さんも黙り込むことがあるのかと)

私の中での黒柳徹子さんの一番初めのイメージは、歌番組「ザ・ベストテン」のマシンガントークの個性的な女性司会者、というものですが、今の若い世代の人は、黒柳さんのことを詳しく知ってる人も少ないのかもと思いました。知らない方にも是非読んで欲しい本です。

■その他の本屋さん

↓絵本も販売されています。イラストが多く収録され、小さな子供にも読みやすい構成です。

4. 黒柳徹子さんのおすすめ本

窓ぎわのトットちゃんを読んで、黒柳さんにもっと興味が湧いて他の本も読みました。どちらも面白かったので、紹介します。

小さいときから考えてきたこと

2001年発売のエッセイ。自分が学習障害(LD)の代表例と言われていることについて思うことや、ユニセフ親善大使の活動で訪れた紛争地で接した子供たちの事、日常の出来事(ex 飼っていたロボット犬・アイボの話)など、幅広い内容が書かれています。

「窓ぎわのトットちゃん」はお話風で子供の文章風でしたが、「小さいときから考えてきたこと」では大人の黒柳さんの考えが書かれていて、子供の頃のエピソードも書かれていて「窓ぎわのトットちゃん」ともリンクします。

「窓ぎわのトットちゃん」もそうですが、経験した出来事が読者にも生き生きと伝わってくる語り口で書かれているのと、普通の人が体験しないような規格外のエピソードが多く、楽しめます。

トットの欠落帖

1993年発売の本。黒柳さんの失敗談・爆笑エピソードが書かれています。私は特に、先輩の披露宴に出席した時の驚愕エピソードがツボで、何日経っても思い出し笑いしました。読むと元気になれる本です。